今回はKEMCOが送る人狼をモチーフとしたホラーミステリーノベルゲーム「レイジングループ」をクリアしたので感想等。
先に行っておくと、今回は辛め評価です。
ネタバレに関しては最初は軽め。本記事最後は結構なネタバレがあります。
ゲーム紹介
日本語:フル音声
「人狼ゲーム」をモチーフにした、ホラーミステリーノベル。
主人公が訪れた村では、「霧が立ち込めるとオオカミ様が襲ってくる。毎日村人から投票で犠牲者を決め、オオカミ様がいなくなるまで繰り返す」という変わった風習があった。
ノベルジャンルとしては「ミステリー×伝奇物」になります。
民間伝承とかが結構ガッツリ絡んできます。
物語は一応分岐はあるものの、ナビゲーターがあるので普通に進めば1本道に近い作りでゲーム性は低い。
人狼ゲームに興味がなくても問題ないです。
変わった題材のゲームですが、意外に話題になってない印象で、おそらくそれはKEMCOの配信ガイドラインが厳しめというのもあるのかなと思います。
ルート『4.潜入』、チャプター『Q.入村方法は』で選択肢が出るまで。
本編クリア後の「暴露モード」ONでの撮影はNGとなります。
※この撮影可能範囲は、ゲーム内でも確認可能です。
※ゲーム内の「おしらせ機能」で、動画配信可能な場所まで来たら警告が表示されるように設定できます。
昨今のゲームにしては、なかなか厳しめですね。
自分はこの方針には賛成で、特にノベル物やアドベンチャー物の場合はネタバレをされてしまうと購買意欲に大きくかかわってきますからね。
かつて「Detroit: Become Human」というプレイした方のほとんどが絶賛するであろう名作アドベンチャーゲームがありましたが、これだけの名作ですら、一度最後までyoutube等で見た後に購入しようと考える人はわずかでしょう。
そう考えるとネタバレが購買意欲に直結するようなゲームは、ある程度の配信規制は必要な気がします。
ちなみに本作は、ネタバレエリアになると羊が走って教えてくれます(設定ONの場合)。
シリアスな世界観のイメージは崩れますが、わかりやすくていいと思いました(笑)
ちなみに、配信OKの区間のゲーム進捗度はというと、全体の20~25%程の地点となっています。
3本のメインルート+1本の解明ルート、その1本目が終わったところまでです。
配信者から見たら、やはりちょっと物足りないかもしれません。
では、本作の評価に移ります
総合:
ちょっと残念!という結果に。
価格面、フルボイスということでこれでも甘め。
・フルボイス
・希少な伝奇ミステリージャンル
・人狼ゲームはスパイスとして優秀
ボイスがあるのはやはりいい!
伝奇ミステリーはゲームとしては希少ジャンルなので、一定の需要はありそうです。
・時代と逆行するモッサリイラスト
・一部男性陣が棒読み
・主人公に魅力がない
・一部のストーリーがストレスだったり共感できなかったり
「ノベル物で伝奇ミステリーが好き」という人であれば、オススメできる作品です。
人狼ゲーム自体は全く知らなくても問題ありません。
声に関しては、もし主人公が福山 潤(ルルーシュの声の人)だったら全然プレイフィールが違っていたかも、とプレイ中想像しながら遊んでました。
せっかくのフルボイスですが、主人公の声が苦手でした。
ビジュアルに関しては、タイトルイラストを見てみるとわかります。
和風なのにアメコミ調を感じる…
ちなみに物語の核となる「宴」シーンはこんな感じ
配信NG区間なので画像は載せませんが、大体の女性キャラに変顔イラストがあります(笑)
一応言っておくと、私は結構好きな雰囲気で、メインストーリー1本目が終わったところまでは★4くらいの出来だと思ってました。
自分が評価を落としたのはストーリーの2点
・主人公に感情移入しづらい
・回答編たるストーリーの出来がよくない
ビジュアルよりもここが厳しかったです。
人狼側の時に、主人公は(論理的に)フルボッコにあうのですが、ここで感情移入してると厳しいかも。
また、時折完璧超人になります。
全体的に主人公に感情移入することを想定していない気がします。
最終ルートも、同じ主人公がしゃべってるとは思えないレベル。少林サッカーかな?
あと、この手のデスゲームモノでファンタジーに寄せるのはあまりよくないけど、無理やりなリアリティに寄せるのはもっと良くないと思います。
能里ル―ト(?)で判明する、(特にネタバレなので反転、未プレイ厳禁)
遠隔操作でドア開閉、監視カメラと盗聴器が設置されている村
ΩΩΩ<ナ、ナンダッテー
な部分とかは、ギャグ(よくある主人公の妄想BADENDルート)かと思ったら本線だったのは悪い意味で驚きました。
ラスボス(?)との会話にしても(特にネタバレなので反転、未プレイ厳禁)
実は約束した時に使ってた名前は本当の名前じゃないから無効ね!
ここは、うわぁ…とリアルに思っちゃいました。
一応本作を弁護しておくと
伝奇×人狼ゲーム×ノベルゲーム
これがきっちりハマる人であれば、セール時に手を出してみてもいいと思います。
最後に思ったのは、ノベルゲームはデスゲームとは相性いいけど、人狼ゲームとは相性良くない、という点でしょうか。
人狼ゲームは複数回プレイ(役どころが変わる)というのが一つのポイントなので、キャラのアイデンティティを殺しかねないんですよね。
別ゲームになって恐縮ですが、その点は「グノーシア」は上手くやっていました
人間側⇒コールドスリープさせるだけ
グノーシア側⇒救済(消滅)
という血の流れないことで、アイデンティティを壊さない「仕掛け」を作っていたので。
人狼ゲーム部分に関しては人狼ゲーム慣れしてる人からするとテンプレになってしまうので、物語的な盛り上がりポイントとして使いづらいのがあります。
実際に、本作でも人狼ゲームの部分は「予定調和」ばかりでした。
デスゲームのシステム部分は読者を驚かせるギミックが必要ですが、「人狼ゲーム」を使う場合は、慣れ親しまれてるが故に「人狼ゲーム」のシステム外でその驚きポイントを作らないといけません。
本作はそのポイントに「かみさま」という純ファンタジー要素を持ってきてしまったのが敗因だったかなと思います。
本作はリモートプレイメインでプレイしました
最後に実はこのゲームのプレイにはsteamのリモートプレイ機能を使ったのですが、ノベルゲームとリモートプレイ機能は非常に相性が良かったです。
モバイル側でSteamLinkというアプリを利用することで、PC上で動かしたゲームの映像をモバイルに送り、モバイル側のコントロールでゲームを動作させることが出来るようになる機能。
メリットとして、GPU/メモリ等の消費はPC側で発生するためモバイル側は低スペックでも問題ない。
PC自体も占有されてしまう(画面にはゲームが映し出される)というデメリットはあるが、簡易的にSteamDeckに近い機能が得られることになります。
今回のプレイでは、全体の半分くらいはモバイルでプレイしました。
ちなみに使用したモバイルは低スペックの代名詞ともいえるFire HD 10 タブレットですが、問題ありませんでした。
ベッドで寝ころびながらとか、(防水は必要だけど)風呂入りながらとか遊べるのはいいですね。
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