アクションパートで資源等を稼ぎ、教団育成パートでローグライト的な永続強化を行っていくゲーム。
アクションローグライトゲームというのがしっくりきます。
私がプレイした中で最も近いゲームは「Hades」になるでしょうか。
ゲームとしてはアクションゲーム寄りで、教団育成のストラテジー部分はちょっとした味付け風味となっています。
元々音声はなく、日本語化は及第点。
5万件以上のレビューで94%がサムズアップ(記事現在)ということで、面白さが担保されていますが、生贄となるはずだった子羊がカルト教団の教祖になって復讐するというブラックユーモアに飛んだゲームとなっています。
どのようなゲーム?
以下の2つの要素を繰り返して進んでいきます
①ランダム作成されたダンジョンの部屋を進んでボスを倒すアクションパート
⇅
②色々な施設を建設することでアクションパートを楽にする拠点パート
《アクションパート》
アクションパートの作りはこんな感じで、ランダム作成されたダンジョンの部屋を進んでボスを倒して拠点に戻ることを繰り返します。
《拠点パート》
拠点パートでは最初は何もないところに色々な施設を建設することで、アクションパートでも恩恵を得ることができます。
ちなみに拠点パートはリアルタイム進行されていき、ダンジョン攻略中や、項目を選択している最中も時間は進んでいきます。
評価
総合:
アクションゲーム寄りで、ストラテジー部分は軽めの要素となっています。
割合的には
アクションパート8:拠点パート2
といったところでしょうか(時間配分ではなく、ゲームとして楽しむ要素の配分)。
アクションゲームを重視している人なら加点、ストラテジー要素に期待している人はさらに減点して下さい。
そこまで高難易度ではないので、アクションローグライトというジャンルに興味はあるが慣れていない方に特にオススメ。
この手のストラテジー部分は人員を増やしてコスト&リターンを繰り返していくことになりますが、ランニングコストは食料に一本化されているのが特徴。
つまり何かの要素で教団員が消滅しても、ランニングコストがなくなるので拠点が壊滅することはありません。
さらに言えば、資源は主人公(ランニングコストなし)の稼ぎが大きいので、教団員が少なければ少ないほど拠点パートは楽に回ります。
日数を進めて不利になるのは(おそらく)教団員の年齢くらい。
「クリア日数を気にしないのであれば教団員は最小限で進めるのが楽」というシステムは育成ストラテジーの基本理念としては少しずれている感があり、やはりアクションゲームメインで楽しむべきゲームなのでしょう
・質に対して安価
・アクションパートの操作性が快適(コントローラー推奨)
・密度の濃いゲーム体験
あくまでアクションメインのゲームということもあり、何十時間も遊びつくすゲームではありませんが、その分クリアまで濃密なゲームプレイを楽しめます。
アクションゲームが得意な人であれば、拠点の方は適当でもクリアできてしまうでしょう。
上で書いた通り、拠点の教団員は少ない方が拠点パートは楽になりますが、ゲームクリアには最低限20人の教団員が必要になりますので完全に無視することが出来ないのはアクションメインの人には残念な点かもしれません。
この縛りがなければ拠点パート放棄で初期レベルクリアとかRTAする人もいたかもしれませんね。
一度クリア後でいいので、扉開放に教団人数の制限がないモードがあってもいい気がします。
・アクションゲームに興味がない人は手を出すべきではない
・ストラテジー要素に期待してはいけない
・ブラックユーモアが苦手な人は手を出してはいけない
いつのもレビューでは書いていませんが、ゲームに対する期待とズレやすい部分。
上でも書いた通り、管理(ストラテジー)部分よりアクション部分に重点が置かれています。
通常エンドまでならゴリ押しプレイもある程度許容されますが、おそらくアクション部分に興味が持てないと面白さは感じ取れないでしょう。
ストラテジー部分は雰囲気作りと考えましょう。
また、エンディング後はアプデで追加された追加要素ですが、その分少し難易度が高くなっています。
ブラックユーモアに関しては、「生贄となるはずだった子羊がカルト教団の教祖になって復讐」というのがテーマであることから推察できるままのもの。
教団員を生贄にしたり、カ〇バリズム行為をしたりという表現が出てきます。
絵柄がかわいくマイルドに見えますが、笑い飛ばせない人は手を出さないほうが無難でしょう。
・リプレイ性は低め
・信者の寿命問題で終盤の拠点管理が面倒
リプレイ性に関しては、ローグライトなのでクリア後はやむを得ない部分。
一応高難易度プレイが解放されたりはしますが、何周もプレイして楽しめるローグライクとは異なります。
信者の寿命に関しては10名ほどならいいのですが、もっと増えてくると新規勧誘と死体処理で信者の育成がままならない状態になってきてしまいます。
アクションゲームメインであるなら、もう少し拠点管理に関しては終盤はそこまで手のかからないような仕様にしてほしかった。
終盤からでいいので、一括で全信者を若返らせるような儀式が欲しかったところ。
評価総評
筆者がそこまでアクションゲームが得意ではない点で少し厳しめの評価になっているかもしれませんが、良いゲームです。
「悪い部分」を粗さがししてみましたが、なかなか思いつかなかったです。
ストラテジー要素に期待しすぎてたのは事前情報を遮断していた自分が悪いのでしょうから。
アクションローグライトが嫌いでなければ一度触ってみると良いでしょう。
ちなみに筆者は「Hades」はクリアまで行けてません。
いつかリベンジする…
攻略のコツ
以下、攻略的なネタバレが入っています。
ラスボスに関してのネタバレもありますので注意して下さい。
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食糧問題
一番は無暗に教団員(信者)を増やしすぎないこと。
これは特に序盤は主人公の稼ぎ(農作業含む)が教団の稼ぎの多くを担っているため。
教団員を無暗に増やさず、最低限の人数でしばらく過ごしていると色々余裕が出てきます。
日数をかけるのが嫌な場合は、とにかく信仰を貯めて教団レベルⅢの「農産作業所Ⅱ」までいける頃には農業で自然と食料が貯まるようになっていきます。
オススメ料理
肉料理/魚料理は主人公自ら入手しないといけないので、基本は農産物。
他は素材が余ったッと気に作る程度で。
序盤
ベリーで作成する。
このころは完全に手動で畑を作るので信者が多いと大変。
病気になる可能性があるので、できるだけ早めに診療所もアンロックしたい。
中盤~終盤
カリフラワーが購入できるようになったらベリーは卒業。
こちらも病気の可能性はあるが、資源入手もできるので総合的にはプラスになる。
他の資源に余裕がない場合は最後までコレでもよい。
終盤
収穫まで自動化できたら最上級料理に移行してもよい。
金策
「王冠への供物」にて、食生活の3段階目「海の恵みの儀式」を取得し、釣った魚を売る。
釣りさえ初めてしまえば金銭面で苦労することはなくなる。
売るたびに売値は下がるが、時間で戻る。
販売用の箱はシナリオを進めると出現する(?)
儀式の優先度
最初は有り余っている骨ですが、儀式を適当にやってると骨不足になってきます。
※コストは聖なる啓示により半減しています
序盤~
《生贄の儀式》
信仰心を一気に貯めることが出来る。
生贄の信者のレベルに応じて、最大100%(1lv)分。
《海の恵みの儀式》
金策に適した儀式で、お金に余裕が出るまではリキャストタイムが終わったらすぐ使うくらいでよい。
《信者昇天の儀式》
序盤は死体処理手段の一つという程度。
中盤以降、信者のレベル上げで有用。
終盤~ ※前項に加えて
信者の数が増えてくると、「祝宴の儀式」を多用して満腹度の管理をするのがオススメ。
時期的には「儀式割引」「儀式短縮」を取り終えたあたりから
その他プレイメモ
・盾持ち(大型)は弾をはじき返してスタンさせる
・信者に激励をする場合、説教が終わって建物から出てきたタイミングで行うと多数まとめて行いやすい
ノーマルエンディング後の要素
待ち受けし者を許すことで信者化(寿命無限)できます。
殺すことで装飾品(待ち受けし者の記念碑)を獲得できますが、信者化すると今後必要になるレベル10信者の作成が楽になりますのでどちらを重視するか考えましょう。
ちなみに待ち受けし者の記念碑に関しては、最終的に入手できますのでコンプリート癖の人もどちらを選んでもOK(全てやるべきことをやった後)。
エンディング後に追加で強化されたボスを討伐するシナリオが発生します。
主人公の強化はそろそろ頭打ちになってると思うので純粋に難易度があがります。
またその際、種の販売金額、信者の販売金額が倍増します。
特に種の方は最終戦前に予め十分買っておく方がいいかもしれません。
最後に
自分の趣向には少し合わなかったですが、本作は客観的には名作1歩手前くらいのポテンシャルは感じますので、ハマる方はかなりハマるゲーム。
私は事前情報はほストアページレベルでプレイしたのですが、もう少し拠点パートに比重があると期待してた部分があります。
アクションゲームとしてはかなり評価できるので、本レビューは辛めと言えるかもしれません。
アクションパートが楽しいと思った方は、記事でも紹介した「Hades」、永続強化のないローグライクではありますが「The Binding of Isaac」「The Binding of Isaac: Rebirth」等、より高難易度のアクションゲームをおすすめします。
ちなみにローグライク/ローグライトの捉え方は人によって異なりますが
・ローグライク
遊ぶたびに要素がリセットされ、毎回同じ条件で遊び、ランダム要素を含んだゲーム。
元は「Rogue」というゲームのような(like)ゲームという意味だったがどんどん派生してかなり広義で使われることもある。
日本では狭義の意味で「風来のシレン」風のターンベースを表すこともあるが世界的にはもう少し広い意味で使われる。
・ローグライト
ローグライクを基礎としながら、周回により少しずつ永続強化が入り、最終的なグランドエンディングを目指すゲーム。
派生語であるが、最近は純粋なローグライクより、少し成長要素があるゲームが好まれる傾向がある。
というように捉えています。
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