
一応好感度で分岐はあるが、大体1本道のお手軽ノベルゲーム。
17世紀、飢饉により治安の悪くなった架空(?)の中国のお話。
値段安め、短めなのでお手軽に遊べる。
話はやや暗め、EDへのルートはやや共感しづらい(個人的に)。
作品キーワードは
~ 飢饉、人買い、腐敗官僚、そして復讐 ~
重い世界感だけど、プレイフィールはそこまで重くない。
評価
総合:
クリア後の印象は「惜しいゲーム」という印象。
途中まで面白く、終盤で失速。
もう少し深掘りして欲しかった部分が多かった(というのは名残があったということでもある)。
この値段でCV有(ヒロインはベテラン人気声優の釘宮理恵)というのは良い。
日本語訳はこなれた感じで違和感は少ないが、1人称が明確に間違っている箇所が少々見受けられた。
最も気になったのは、世界感に対して主人公の性格が綺麗すぎること。
悪逆非道な生活をしていたのに、ゲームが始まる(ヒロインと同行を始める)といきなり正義感に目覚めた風なのが違和感を感じました。
男には厳しいけれどね(笑)
世界感も良く、当時の世相をきちんと感じることができる。
かつて「銀色(ねこねこソフト)」という、同じく野党崩れ主人公&ヒロインという(本作と被る)作品があったけれど、比較すると本作はキャラ形成にやや軽い印象。
とはいえ、主人公のツンデレ好青年ぶり以外はかなりリアリティを感じますし、読んでいる最中は先が気になって一気に読み進めることができた良作。
銀色は連作だからか、1章はほんと救いがなかったからね…STEAMで出してくれないかなぁ
あと、ネタバレになるのでプレイしてから読んでほしいですが、エンディング直前くらいで(ネタバレ反転)「自分も悪いけど元はといえば政治が悪い」という盛り上がりポイント(?)は日本人からするとやや共感しづらいかもしれない。
・世相を描くリアリティ
・わかりやすいストーリー
・コンパクトな構成だが、それでいてギミック有り
・この値段で日本語CV有
・絵がよい
この作品と切っても切れないのは「飢饉による飢餓」。
主人公、ヒロインともにこれの所為で道を踏み外すことに。
ただし、物語が始まってからはお金や食べ物に困ることはないのであくまでバックストーリー(過去回想)として。
主人公がツンデレ善人(?)なので、その点は共感しやすい。
全体としてまとまったストーリーで主人公(良)と、ヒロイン(満穂=まんすい)だけにフォーカスされたコンパクトな物語。
ストーリーはコンパクト。
舌&主人公&ヒロインが軸
舌のキャラは(悪役として)結構好き。
枚数は少ないが絵のクオリティは高い。
回想シーンはやや残酷なシーンが多いこともあって、シンプルな線画となっている。


・飢饉に隠されたもう一つのテーマ
・エンディングへの流れ
・不要な物語パーツ
政治の腐敗が隠れたテーマとなっていて、そのあたりがミリオンセールの起爆剤になっている可能性はある。
それ自体はテーマの1つとしてはアリだけど、終盤展開は唐突で違和感を感じる場面も。
また、カニバ表現もあるので苦手な人は注意。
あくまで主人公とヒロイン(満穂)の物語以外は蛇足、と言わんばかりに終盤はすっ飛ばされてしまうエンディングルート。
なんかいろいろ勿体ない。
冒頭で引き連れていくことになる奴隷のうちヒロイン以外の3人は、あまり物語に絡むことなかったのは違和感。
瓊華とかは、いかにもストーリーを広げられそうなのに何もなかった・・・
あと、過去回想で出た「神仙肉」という家宝(?)が唐突なファンタジー要素に思えてしまったけれど、おそらく中国の方なら分かるものなのかも。
最後に
評点はやや甘いかもしれないけれど、価格とCV含めた満足度からするとわりと万人にオススメできるノベルゲーム。
プレイ中はかなり面白かった。
終盤がやや駆け足だったのは残念ですが。

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