©︎山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
冒頭。
魔王討伐が終わったPTの凱旋から物語が始まる。
『葬送のフリーレン』PV第2弾
どんな話?
魔王を討伐した勇者PTの一人フリーレンは1000年を生きるエルフ族。
10年の旅路を終えて凱旋、目的を果たしたPTは解散しそれぞれの道へ。
10年はフリーレンからするとごくわずかな時間で、冒険以前はフリーレンはあまり人間とは関わりを持ってこなかった。
勇者PTの3人(ヒンメル/ハイター/アイゼン)との別れを経て、フリーレンは人との限りある関わりの大切さを感じることが出来るようになっていく…
ファンタジーですが、人情を主軸に話が進んでいきます。
第1話~第4話は一挙放送され、映画時立ての構成もあり話題になりました。
1話・2話・3話・4話の構成もよくて、人によってどの話が好きかは分かれると思いますがそれぞれ別ベクトルで良い話。
原作の順番がこの通りなのであれば、おそらく原作を読んでからこの放送形式(初回4話一挙)を考えたのだと思います。
制作会社「マッドハウス」と初回2時間放送(21時~)
「マッドハウス」は「あれ、このアニメ面白くない?」と思って検索すると良く出てくる印象。
それは映像技術というより、「当たる原作を選ぶ力」が高いアニメ制作会社。
また、収益性を高める能力があり、力を抜くところと入れるところをきっちり区分けしていますね。
思い浮かぶのは「オーバーロード(1期)」で、すごく面白い作品を低予算でそこそこ良い作品に仕上げた、という感じを受けました。
「オーバーロード(1期)」はとにかく動きのあるシーンを削り、最終話の戦闘すら「紙芝居レベルの戦闘を他の人が映像で見るシーン」で胡麻化していたほど。
と、ここまで聞くと批判してると思われるかもしれませんが、これはおそらく予算面の問題。
当時の「実績のないなろう系作品」なんて期待されてないのが実情でしょう。
とくに昨今のファンタジー系は戦闘描写がある癖に予算が低いという製作泣かせの作品が多いですからね。
「オーバーロード(1期)」は確かに低予算アニメでしたが、それでいて視聴者を満足させるという素晴らしいマネタイズ作品だったと思います。
現に2期、3期、4期と続いてるのが証明しています。
さて、本作『葬送のフリーレン』ですが、ファンタジー作品で戦闘はあるものの主軸ではなく、主人公PTの余生の過ごし方というのが主題(1~4話時点)。
戦闘もありますが激しい動きがないため普通のファンタジー作品とは違います。
なんといっても最初の4話一挙放送(21時~)というのが衝撃でした。
今後の本放送も23時~ということで、一般層へのアプローチが出来たのは素晴らしい。
少し話がそれますが、「アニメは3話みて判断しろ」というオタク格言がありますが、自分はこれに懐疑的で、「アニメ制作は1話目で視聴者を引き込め」というのが私の持論です。
アニオタは3話まで見てくれますが、そこまでアニメをみない一般層へのアプローチは一期一会なのです。
連作という関係上、たまたま1話を見てくれた人というのは特に貴重であり、そこへのアプローチを怠るのはもったいない。
『葬送のフリーレン』では初回100分(夜枠)という映画式にすることで一般層への強いアプローチを狙っていたのだと思います。
実際に見てみると100分どころか、初めの1話25分で完全に視聴者のハートをつかむ作りでした。
原作の力が大きいのはちろんありますが、作品を選定してアニメに落とし込み、そして一般層にアプローチできる時間帯に一挙放送。
昨今はTV放送が軽視されてるとはいえ、一般層への導線としてまだまだTVは重要であり、この流れを実行できたのはすごい。
『葬送のフリーレン』の作画については量産アニメの枠を出ませんが、これは連続2クール(24話?)ということから、力の配分がしっかりできているということ。
連続2クールは珍しいですよね。
そして背景美術が水彩的で美しかったのが印象的。
物語がどちらかというとほのぼの&しんみりなので柔らかい雰囲気に合ってますね!
これから見る方は背景にも注目して欲しいです。
OPは「YOASOBI」の『勇者』
最近のアタリアニメ請負人「YOASOBI」
「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の主題歌『祝福』
「推しの子」の主題歌『アイドル』
と、連続でアニメの盛り上げに一役買う存在に
それまでも若者を中心としてヒット曲を連発してきましたが、ここ最近はアニメとのタイアップでの相性の良さで人気爆発した印象。
キャッチーで独特なテンポの曲で有名ですが、作品をリスペクトする姿勢も見事で歌詞がきちんと作品を表しているのが特徴。
「10年の旅路」ではなく「100分の1の旅路」という言葉選びが素敵。
本作もyoutube上でフルver.のアニメMVが初回の放送後すぐに公開されました。
「YOASOBI」の曲が大HITしているのは、MV作成時に画像と歌詞のコラボレーションが一役買っていることもあるでしょう。
最近はこの「アニメMVによる作品盛り上げ」も人気アニメに欠かせなくなってきています。
以前はMADと呼ばれるアニメ主題歌に画像を張り付けたもの(非公式)が多かったですが、最近は公式でMV作成してくれたりと、アニメファンとしてはありがたいことですし、相乗効果でのアニメ業界/音楽業界の盛り上げに期待したい。
最後に
『葬送のフリーレン』、5話目以降は23時~の30分枠に。
1~4話を見て興味をもった層が見れる時間帯なのは〇
初回放送では、周りの「ヒンメル」「ハイター」「フェルン」を軸とした物語構成が心地よかったです。
「ヒンメル」は死してなお勇者
「ハイター」はしたたかで優しい
「フェルン」は一途でかわいい
ハイターに騙されたフリーレンですが、おそらく最初の時点で分かってた感はありますが、それがいい。
私は原作未読なのであまり情報を入れずに楽しみに見たいと思います。
原作も面白そうですが、本作は「アニメ」で表現される「間」とか「雰囲気」をゆっくりと楽しみたい作品。
今後の展開は分かりませんが、おばあちゃんになったフェルンをフリーレンが看取るシーンとかあったら絶対泣く。
《オマケ》
久々に生成AIで遊んでみた。
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